慢性腎臓病(CKD)
の合併症について
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慢性腎臓病(CKD)では、腎臓の機能が低下するにつれて特有の合併症が起こります。慢性腎臓病(CKD)と合併症は、お互いに悪循環を生じさせるため、合併症を治療することは腎臓を守るためにも大切です。
心血管疾患
慢性腎臓病(CKD)が進行し、高血圧が進むと動脈硬化になりやすく、心筋梗塞や脳卒中などを発症するリスクが増えます。
治療としては、禁煙や肥満の改善、睡眠時無呼吸症候群の治療など生活習慣の改善、食事療法、薬物治療を行います。
腎性貧血
腎臓の働きが低下すると、腎臓からの造血刺激ホルモンが出にくくなって貧血になります。そしてその貧血が腎機能をさらに低下させ、心不全・動悸・息切れなどの症状が現れます。
貧血の改善には薬物治療を行います。
その他
不整脈や脱力、倦怠感、食欲不振、また体内のカルシウムなどの調節ができなくなり、骨がもろくなるなどの症状が現れます。
高齢者の透析療法について
透析療法を新たに始める患者さんの約70%以上は、65歳以上の方です。
多くの方は透析療法を行うことにより、健康寿命(元気に自立して過ごせる期間)を延ばすことができます。一方、重度の心不全や末期がんなどで、透析療法自体が心身の負担となる場合には、透析療法ではなく、症状や苦痛を軽減する「保存的腎臓療法」を選択することもできます。
高齢の方の中には、透析療法が必要となるころに自己判断ができない状況になる可能性もありますので、そのような事態に備え、自分の望む医療について、日頃から周囲の人々と話し合っておくことも大切です。
自分にとって望ましい人生をおくるために
治療法が選択できる場合、自分にとって大切なこと、望ましい人生の最終段階の迎え方を考えながら治療法を選びたいものです。
最近では、自分の価値観や人生の目的を、家族・介護関係者や医療チームと共有し、自らが主体となって将来の医療や治療方法について話し合うことが重要視されるようになってきました。勇気を出して自分の命の行く末を決めておくことは、自分のためだけではなく、周囲の人々への思いやりにもなります。
さまざまな機会に、将来受ける自分の治療について考え、周りの人々と話し合うようにしましょう。