慢性腎臓病(CKD)って
いったい何?

慢性腎臓病は、腎機能の低下が続く状態のことをいい、英語の 「Chronic Kidney Disease」の頭文字を取ってCKDともいわれます。
慢性腎臓病(CKD)は、初期の段階では症状がほとんどありません。
貧血、疲労感、むくみなどの症状が現れたときには、すでに病気が進行している場合があります。長い年月をかけて腎機能が低下していき、ある程度進行すると、自然に治ることはありません。そしてさらに進むと、最終的に透析療法や腎移植を受けなければならないほど腎機能が低下する末期腎不全の状態に至ります。

慢性腎臓病(CKD)の定義

慢性腎臓病(CKD)は以下の1,2のいずれか、または両方が3カ月以上持続する場合をいいます。

1. 尿検査、血液検査などで腎障害が明らかである
(特にたんぱく尿が出ている場合)

検査の見方

2. 糸球体ろ過量(GFR)が60ml/分/1.73㎡未満である
(血液検査で推算値が計算できます)

自分の腎機能を確認する

慢性腎臓病(CKD)の原因

慢性腎臓病(CKD)の原因はさまざまですが、現在増えているのが、糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病です。
これらは腎臓の動きを低下させることがわかっています。

糖尿病、高血圧の方は特に注意しましょう!

慢性腎臓病(CKD)の原因として最も多いのは糖尿病と高血圧です。
糖尿病の患者さんは、予備軍を合わせると約2,340万人(2022年)と推定されています。近年、透析療法あるいは腎移植が必要となる方の原因の第1位は糖尿病であり、その割合は全体の約45%にもなります。
また、高血圧の治療を受けている患者さんは約1,510万人(2020年)といわれています。高血圧が長期間続くと、血管が硬くなり動脈硬化を起こし、さらに進行すると、血液の流れが悪くなって腎臓の機能が低下する腎硬化症になります。腎硬化症は、生活習慣病や高齢化により年々増加傾向にあり、現在では透析導入の原因となる病気の第3位となっています。
糖尿病の治療や血圧のコントロールをきちんと行うことにより、慢性腎臓病(CKD)の進行を遅らせることができます。

どうして糖尿病が関係するの?

糖尿病は血糖を調節するインスリンというホルモンの分泌・作用がうまく働かないために起きます。食生活の向上、運動不足、食べ過ぎなどから肥満、高血糖、高血圧が現れる生活習慣病であり、重大な病気の一つです。

元来、日本人はインスリンの分泌が良くないため、糖尿病になりやすいのです。
糖尿病は、全身の血管を障害し、動脈硬化症、網膜症、末梢神経障害、腎臓病(糖尿病性腎症)を招きます。

糖尿病が原因で起こる腎疾患ではタンパク尿、血尿などが現れ、次第に腎機能が低下して慢性腎不全に至ります。